良質な学びが得られる本当の良書を紹介しよう〜冬編〜

 

気づけば子どものころから本ばかり読んでいて、毎年50冊以上は読んでいる。最近は時間がなかなか取れず、質のいい本の一節などを丁寧に感受性をフル回転して読むことが多くなった。季節と本には、大きな関係があると思う。

 

寒い日の家の中で、温かいコーヒーと共に読みたい本があれば、暑い夏にセミの声を聴きながら読みたい本もある。

 

今回は、これまで読んできた本の中で、特に良質な学びが得られる本たちを季節ごとにシリーズで紹介していく。多様なインスピレーションを刺激されるようにあえてジャンルを分けずに紹介する。

読みたい本がないとき、生活にマンネリを感じたときなど、役立つこと間違いない。

 

01.
9つの性格

「すべての人は9つのタイプに分けられる」―世界各国で科学的に検証された神秘の人間学“エニアグラム”についての名著。

エニアグラムは、いわゆる占いの類とは違う。タイプを分ける20の質問に答えれば、あなたが、1.完全でありたい人、2.人の助けになりたい人、3.成功を追い求める人、4.特別な存在であろうとする人、、、という9つのタイプのどれに属するのかがわかる。

自分のタイプを知り、こだわりや恐れから解放されれば、自らの能力と個性を最大限に生かすことができる。さらに、相手のタイプを知り、長所と短所を見極めれば、その人に合った対応の仕方がわかり、良好な人間関係も築ける。

すでに多くの企業の人事部で取り入れられているコンセプトなのだ。あなたの会社でも、人事配置の基準として使われているかも。

 

 

 

02.
はじめての民法
~3日で分かる法律入門シリーズ~

法律を手軽に、しかも本質的に理解したいというニーズは意外と高いと思う。社会人を何年かやると必ず法律的なコンセプトを知っておく必要性を感じるはずだ。

このシリーズは、法律の体系全般を理解できる「はじめての六法」から「債権各論」などのビジネスに直接役立つ各論まで出版されている。ぼくも一通り購入したが、どれも分かりやすく、法律の要点が簡潔に整理されていて、本当に3日で”あ、これが本質なんだ”と理解できる。

 

 

 

03.
オリーブの森で語り合う

ファンタジー小説「モモ」を書いたミヒャエル・エンデ ,‎ 経済学者E.エプラー,‎ 政治家H.テヒルの古い対談本。

初版が1984年でありながら、現代の資本主義の本質を鋭く批判する。会話の中身は、環境汚染、教育、心理学そして政治に関する問題についてまで多岐に及ぶ。未来のイメージが語られるとき、警報ばかりが叫ばれる、、でも、理想はそもそもどういう未来がやってきてほしいのか。僕たちのユートピアは何なのか。

そんな、未来の社会像を考察するうえで重要なヒントが随所に散りばめられており、色あせないどころか、現代にこそ輝きを放つ名著だと思う。

 

  

  

04.
法哲学入門

もう一冊法律関係の本を紹介したい。そもそもなぜ、この社会には法律というものが生まれたのか。法とは何か。そんな根本的な問いについて考えると、もっと法律の本質、、もっと言うと、複数の人間で作られているこの社会を生きるということの本質が少し理解できるようになる。

人間がいるから法律がある。

ぼくたちは普通に生きてきた中で自然と価値観というものを築いてきたけど、これまでの価値の判断の基礎が大きく揺らぐ体験ができると思う。本当におススメ。

  

 

 

05.
地球の歩き方

海外旅行でおなじみ。見過ごされがちだが隠れた名著シリーズだと思う。一つの国や地域にこれだけ広く深く掘り下げた情報が得られるコンテンツはほかに思いつかない。パラパラ眺めながら、仮想旅行を楽しんでみよう。

旅のはなしというのはどんな人にも興味深いものだ。普段の会話のネタつくりに役立ててもいいかもしれない。

  

 

  

06.
ノンデザイナーズ・デザインブック

ビジネスマンにこそ読んでほしいデザインの教科書。

デザインの基本的な原理原則について、図と実例を交えながら分かりやすく解説されている。

デザイン関係の仕事をしていない人でも一度は読んでおきたい。なぜなら、デザインというのは仕事・生活の至ありとあらゆる面で関わってくるものであり、学ぶことのコスパが非常に高いからだ。

この本に書かれている原理原則を覚え意識的に使うようにするだけで、資料づくりにせよ、プレゼンのスライドづくりにせよ、至るところで見やすく印象的な表現ができるようになる。

  

  

  

07.
1万円起業

これからの日本は副業の時代になる。いやすでになっている。

ずっとサラリーマンはイヤだからいつか起業したい。そう思いながら何も行動できない。 そういう人は、いざ始めるときは大きな決断をしてからだ!と思っているかもしれない。そんな考え方はナンセンスだ。この本は、そう言い切ってくれる。”ノーリスクなんて当たり前”、”普通にやりたいことをやる生活をする”、”自分が企業していることさえ気づかなかった”そんな風に、自然と考え方を変えてくれる本だ。ぼくがこのブログを始めたきっかけも実はこの本かもしれない。

  

  

  

08.
池田晶子

今回は、書名ではなく人物だ。この人を紹介することが、この良書シリーズを始めた理由の一つ。専門知識や用語に頼ることなく、日常の言葉によって「哲学するとはどういうことか」を語り続けた。「哲学とは何か、、そんなこと自分で考えろ」20冊以上も書きながら一つして答え教えてくれない。”私も知らない、考えている途中だ。”そう言い続けて、僕たちを引っ張ってきてくれた。この世界に生を受けた、数少ない本当の知の巨人だ。 2007年46歳の若さで亡くなっているが、彼女の言葉はこれからの人々にとっても大きな影響を及ぼし続けることは間違いない。

  

  

  

09.
堕落論

昭和の戦前・戦後にかけて活躍した作家、坂口安吾の名著。 戦争にまつわる話といえば、歴史的な人物や偉大な実績を上げた人物に関するものばかりだが、この本は戦時中の民間人の本質を映している。”戦時中、日本は嘘のような理想郷であった”、”戦争に負けたから落ちるのではない。人間だから堕ち、生きているから堕ちるのだ”と言い切る安吾は、戦後日本の価値観を変え、勇気を与えてきた。われわれ日本人がぜひ読んでおきたい名著。

  

  

  

10.
投資テーマ別 成長業界&企業

ビジネスマン必見。毎年、12月頃に発売される大和証券投資情報部が作成している投資家向けの本。 数多くのテーマの中から、近い将来さらなるマーケット拡大や投資家からの注目度が高まることが期待される項目をピックアップし、図表やグラフを使ってわかりやすく解説している。ぼくは、年末に翌年のビジネス環境を予想するために購読している。いわゆる、「成長株はこれだ!!」みたいなものではなく、lot、外国人活用、宇宙開発、サイバー防衛、VR、シェアビジネスなど、各企業がすでに開発や検討を始めている分野について具体的に解説されている。ここに記載された分野は、翌年テレビやネットを騒がすものばかり。毎年、振り返りながら情報の集約力と先見性には驚かされる。

  

  

  

いかがだっただろうか。読者の方のこころに引っかかる1冊を紹介できていたら嬉しい。

今後も季節に応じた良書を紹介していこうと思うので、お楽しみに。